各クラスごとに学級連絡係と学級活動係が中心になってイベントを企画し、同じクラスの保護者同士が顔を合わせてつながっていく機会をつくるための活動です。
その一方で、「学級活動といっても何をすればいいかわからない」「わざわざ集まって何の意味があるの?」というご意見もよく聞かれます。ここでは学級活動の役割や進め方、具体的な活動の実例について紹介したいと思います。
クラスの保護者が集まって親睦を深めるために行い、年に1回以上開催するのが基本です。PTAでは年間の学級活動費として各クラスに1万円の予算を準備しているので、上手に利用してください。
学級連絡係と学級活動係が協力して、クラスの親睦をはかる機会をつくります。最初は保護者会の後の茶話会などで、自己紹介から始めるのもいいでしょう。子どもが仲のいい保護者同士であいさつしたり、上のきょうだいがいるお母さんから中学校のことや、受験の志望校のことについて教えてもらうことも。交流を深めるとともに、学校や地域、子育て、受験などのさまざまな情報を交換できる場でもあります。
クラスの保護者が実際に会ってつながりをもつことで、お互いが「顔の見える関係」になれます。年に一度でもこうしたつながりの機会があると、複数の保護者と気軽に情報交換ができると同時に、クラスや地域で起こった問題に保護者が連携して対応したり、災害時や地域の防犯などにもスムーズに協力しやすい下地をつくることができます。
学校で誰か知り合いを作りたいけど、サークル活動やボランティアに参加するまではちょっと……という方も気軽に参加して、同じクラスの方々とゆるやかなつながりを持てるいい機会です。
学級活動の一例として、2023年度広報サポート係の方に取材していただいた、3年生のあるクラスの学級活動を紹介します。
これまでコロナ禍の影響があったものの、2022年から活発化してきたPTA活動。今回は広報サポート担当が、3年某組の企画する「茶話会」に参加させていただき、その様子を取材しました。
(取材・2023年広報サポート係 亀岡さん)
茶話会とは保護者同士の気軽な交流の場、情報交換の場です。ソフトドリンクやスナック、おなかが空いた人はお弁当を食べながら保護者同士でひと時の間ワイワイお話しをしましょう、というシンプルな会。皆で参加できる”気軽さ”があります。
今回茶話会が開催されたのは、卒業式を控えた時期。生徒から担任の先生に感謝を伝えようと趣向を凝らした企画が立てられました。保護者だけでなく生徒も茶話会に参加し、保護者が用意した手紙や色紙に、生徒から先生へのメッセージを書いてもらいます。欠席した生徒からも後日回収し、色紙などキレイに仕立てて担任の先生に渡すそうです。メッセージを少し見せてもらいましたが、そこには先生に対する感謝の言葉がびっしりと書かれていました。
こちらの学級では、今回で2回目の茶話会。初参加の方もいたので、改めて自己紹介をかねて、自分の趣味や子供の部活などを各々発表するというスタイルで進行しました。この「趣味を発表する」ということが皆さんの距離を急速に縮めます。「大河ドラマで平安時代にはまっています」や「バレー部の応援に行くと泣ける」など、マイブームの話で大盛り上がり。そのほか自分でも運動したりスポーツ観戦したり、保護者の方々がお互い共感するところが多いようでした。一番話に花が咲いたのは”湯処葛西”のサウナ話。”熱波師・ロウリュ”に最近ハマりだした人が何人もいて「サウナ室でも会うかもね」と笑顔で話していました。
筆者が感じたのは、皆さん子供の教育に本当に熱心なところ。定期考査や内申点の話題となると皆さん顔つきが一変して真剣そのもの。「清一は定期考査が難しい、評価も厳しい、受験の内申点では他校のほうがアドバンテージがあるのでは」と、多くの方が身を乗り出して話していました。また、親の介護と受験が重なったり、子供が4人いて各々が今年卒業式など、ライフイベントと自分の仕事、教育・受験など同時にこなすことが非常に大変だったことなど、お互いにウンウンと振り返るように話していました。気になっていることを誰かと共有したことで、皆さんどこか安心していたように思えました。
せっかくなので生徒たちにもインタビューさせていただきました。担任の先生の話題をふると「僕が第一志望の高校に受かったのは先生のおかげ」と、ある男子生徒は熱く語ります。受験課題に作文がある生徒には特別枠で課題を出して採点するなど、受験対策への応援があったようです。聞いて驚いたのは、この日集まったほとんどの生徒全員が違う学校に行くということ。女子生徒に「高校に入ってしばらくしたら中学の同窓会はするの?」と聞いたら「やりたい!」と全員が手を挙げて盛り上がりました。
主催者に今回の段取りをうかがったところ、主に日程調整と場所押さえ、当日はちょっとした買い出し程度だったと言います。工夫したところは、受験後の日程で多くの人の都合がつきやすいようにしたことと、遅刻・早退OKの出入り自由にして、気軽に参加できるようにしたこと。前回は名札を用意したけど今回は忘れてしまって反省、とのことでした。保護者がお互いを知って楽しめることに、とてもやりがいを感じているようです。また参加者からは「前回参加しようと思っていたが調整つかず、今回やっと参加できた。保護者の皆さんのさまざまなエピソードが面白くて参加してよかった」とのコメント。筆者も皆さんの話を聞けていろいろな発見があり、とても楽しかったです。ありがとうございました。
後日、学級活動の進め方や、活動費の活用方法・利用範囲などについても追記したいと思います。活動費の精算の際に提出する書類は下記のページからダウンロードできます。
https://www.seishin1chupta.com/download